わが子がウソをついた時、「素直な子になってほしいと思って育ててきたのに……」と、親がカーッとなってしまい、叱り飛ばしていませんか?たとえば「ウソつきは泥棒の始まりよ! そんな子に育てたつもりはありません!」なんて言ったりしていませんか?

 でも、その親の対応こそ、子どもがウソの上塗りをする原因になってしまうことがあるのです。そこで、今日は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が、子どもがウソをついた時の親のNG対応について、お話しします。 

■子どもがウソをつく原因2つ

子どもがウソをつく原因として、以下のものがあげられます。

(1)失敗した時、こっぴどく叱られた経験があり、それがトラウマになっている。

(2)願望、思い出、現実がごっちゃになってしまい、本当ではないこと言っている。 

■トラウマになる

 想像してみてください。子どもが絵本をビリビリやぶっている光景を目にしたママが、「どうして絵本を破るの!そんなことするんだったら、もう二度と絵本は買ってあげないから!」と叱りました。すると、子どもは「最初からやぶれていたんだよ」「弟がやぶっていた」と答えました。

 はたから見ると、「そこまで言わなくてもいいんじゃないか。なんだか子どもが可哀相……」と感じるかもしれませんが、いざそのようなシチュエーションになると、見え透いたウソをつくわが子に対して、頭に血が上ってしまうことがあります。

 親がこのように怒ると、「これからは正直に白状しよう」となるタイプの子もいますが、中には「今度からはウソが絶対ばれないようにしよう」とウソを重ねようとする子もいるのです。ですから、失敗したこと、悪いことをしたときは、“徹底的にやり込める”のではなく、次のように言いましょう。

 「あら、絵本がやぶれているね」淡々と、どすの聞いた声で諭し、まるで「お天道様は見ているのよ」という感じを出します。子どもは「ママはわかっている、しまった……」と思います。決して「どうしてやぶったの?」と原因追及をしてはなりません。子どもはやぶりたかったからやぶっただけなのです。

 「なんで」「どうして」の前置きは、ママの心の中にしまっておきましょう。原因追及されるから、「最初から破れていたんだ」とか「他の人が破ったからだ」と、見え透いたウソをとっさについてしまうのです。

■思い出と現実が混ざってしまう

 たとえば、保育園で月曜日、ある子が「日曜日、家族でディズニーランドに行ったんだ」と自慢話をしたとします。すると、何人かが、「僕も行ったよ」「私もおばあちゃんと行ったよ」と競い合うように言ってくることがあります。

 後で保護者に確認してみると、それは昨日のことではなく、先月のことだったり、去年の話だったりします。「また行きたい」という願望が、そのような発言をさせているだけなのです。それだけ楽しい思い出なんですね。

 そんなとき大人が「ウソつくんじゃない!」なんて言ってはなりません。「そうなの」と軽く流すだけでいいのです。それで子どもは、「僕も先生に話を聞いてもらった」と満足します。

 

いかがでしたか。

 「ウソつきは泥棒の始まり、だからウソをついてはいけない」「人に絶対に迷惑をかけてはならない」という子育てポリシーを掲げている人がいます。でも、小さなウソさえもつかない人なんて、この世に存在しないと思うのです。子どもは人に迷惑をかけながら成長していくものです。自分の子育て方針に従って子どもが育っているかどうかだけを基準に、褒めたり叱ったりするのは止めましょう。